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駅前居酒屋への旅
 
第1回
 
写真1
 
写真2
 
 
ショップデータ
中央酒場

神奈川県横須賀市若松町2-7

電話 046-825-9513

営業 10時〜22時30分

定休日 日曜・祝日

HP

こちらの記事も参照。

メニュー

生ビール(450円)
ホッピー(450)

サントリー角瓶S(350円)
レモンハイ(400円)
しめさば(450円)

あじ刺身(550円)

馬刺し(600円)
生野菜(400円)
天ぷら(450円〜)
炒め物(400円〜)
揚げ物(350円〜)

 

その他多数

 
写真1
 
写真2
 
 
ショップデータ
忠孝

横須賀市若松町3?12

電話 0468-22-4174

営業 16時30分?深夜1時

こちらの記事も参照

メニュー

ホッピー(400円)
満州焼き(1本95円)
焼鳥(1本95円)
骨々サラダ(480円)
スイスイ餃子(400円)
湯豆腐(300円)
牛レバ刺し(570円)

 

その他多数

 
本文を読む

 

 10年ほど前までは、飲食業界の流行を追っかけるのが結構楽しかった。デザインの良い店、斬新なコンセプトの店、クリエイターの集まる六本木のバー、西麻布の隠れ家居酒屋などなど。「クロムハーツの流行も知らずに飲食店を語る資格はない!」なんて吠えるオッサンの言葉にも、なるほどと頷いていた。
  ある日、そのオッサンの作った流行の店は、中国人を大陸から連れてきて、安くこき使うのが収益の源だと悟った。デザインが良い店、斬新なコンセプト云々にしても、せいぜい数年で消費されてしまうニセモノ、借り物ばかり。何か、つまんないよねえ……。
  そう呟きつつ、自然に足を向けるようになったのが大衆酒場だ。ホッピーを目印にして、できるだけ古くから、変わらず続いている駅前の店を訪ねると打点が高い。飾り気がなく、酒も肴も安くて旨く、そのコストパフォーマンスに感動することが多いのだ。店主に昔話を聞くと、興趣が増す。ささやかな移動で、時間旅行まで楽しめるからだ。
  そんな旅先に最適なのが、ここ横須賀。横須賀というと、基地の町という連想から、近代的な町並みをイメージする人が多いだろう。ところが、京急線横須賀中央駅の界隈を歩くと昔懐かしい路地がたくさん残っていて、イメージとのギャップに驚く。意外なことに、横須賀は、太平洋戦争の空襲の被害をほとんど受けていないのだ。米国は、占領後に軍都・横須賀の軍事施設を使うために、空襲しなかったのだと言われている。おかげで、関東大震災以後に作られた昭和の町並みが色濃く残ったというわけだ。
  町並みの中に、いまも点在するのが古くから続く大衆酒場である。そのほとんどの店で、ホッピーが飲めるのも、横須賀の大きな特徴だ。戦後、東京の下町・深川闇市あたりで、焼酎の割材として人気に火がついたホッピーは、闇市の酒場を介して広がり、横浜を飛び越えて、横須賀に伝わり大流行した。
「もともと横須賀ってところは、基地の町で、わりかし男っぽい町なんです」と謎解きしてくれるのは、昭和28年創業という「中央酒場」の2代目店主、井上徹さんだ。戦後、質が悪かった焼酎を飲む際にまず流行したのが梅割。これだけではどうも夢がない。そこで、登場したのがホッピーだった。
「ホッピーで割ると、臭い焼酎がある程度、薄まりますね。それから、見た目も良い。ビールみたいな感じでね」

 

中央酒場

 

 横須賀では、ホッピーはハードボイルドな酒だったのである。いまも横須賀では、ホッピーの焼酎が濃い。「中央酒場」の場合、500mlのジョッキに焼酎が140ml、ホッピーが360ml。ジョッキ、焼酎、ホッピーともよく冷やしてあるので、泡が出ない。そのため500mlのジョッキに焼酎とホッピーがぴったり収まる。
  これも駅前にある昭和33年創業の「忠孝」のホッピーは、さらに濃い。こちらの焼酎は180ml。先代から店を引き継いだという現社長の小金肇さんは「焼酎を正1合入れます。なぜ焼酎が多いかというと、やっぱりお客さんの気持ちを考えて、きゅっと威勢良く飲んでもらおうということだったんでしょうね」と話す。この「忠孝」で創業以来の名物が満州焼だ。ラム肉をタレに漬け込み、串焼きにしたもの。肉の粒は大きくて噛みごたえがあるが、適度に柔らかい。アッサリ醤油味のタレが肉の旨味をひきたてる。
  先代の社長夫妻は、昭和30年に舞鶴からここ横須賀に居を移し、「忠孝」の開店当初から満州焼を看板にした。満州焼の由来は、残念ながら小金さんにもわからないというが、満州から引き揚げてきた先代が、かの地で覚えた味に和風のアレンジを加えて……という想像が膨らむ。壁に飾られた先代の写真を眺めながら、満州焼を頬張り、特濃のホッピーを飲むと、ひと時、時間旅行が楽しめた。

 

忠孝
 
バックナンバー
第1回  横須賀ホッピー編 〜中央酒場〜 〜忠孝〜
第2回  昭和残響、蒲田編 〜鳥万〜
第3回  荻窪いかみみ編 〜やき屋〜
第4回  錦糸町・馬レバ刺編 〜馬力〜